女性の老化防止の秘薬?

#20. 女性の老化防止の秘薬?

Q

44歳女性、半年ほど前から顔のほてりや手足の冷え、いらいらといった更年期症状に悩まされています。 大豆製品に含まれる成分が更年期症状の緩和や老化防止に効果があると聞きましたが本当でしょうか?

A

女性の健康と大豆に含まれるイソフラボン

 女性の更年期障害は40代以降の卵巣機能の低下と共に、体内のエストロゲンという女性ホルモンが減少することと深く関わっています。そして大豆に含まれるイソフラボンは弱いエストロゲン様作用を有するため、従来から女性の健康維持増進の効果が期待されてきました。そして最近更に研究が進み、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインという成分が、腸内の乳酸菌の力を借り、変換されて生み出される エクオールという代謝物質がイソフラボンの効果の本体であることが判ってきました。

 

女性ホルモン様作用のあるエクオールと腸内細菌の関係

 エクオールは、女性ホルモンが減ることで起こる更年期症状、骨粗鬆症、高脂血症、高血圧症、皮膚のしわやたるみなどに有効です。しかしエクオールを腸内で産生できる人は、日本や中国など大豆をよく食べる国で約5割、欧米では約3割にとどまっていてせっかく大豆イソフラボンを摂取しても、腸内細菌の違いによって、エクオールを産生できない人が少なからずいるのです。

 

ソイチェックでエクオール産生能を確認してエクエルで補充

 エクオールを作る能力は、ソイチェックという簡単な尿検査キットで調べることができます。この検査でエクオールを作れている方は、腸内細菌がうまく働いているわけですから、積極的に大豆製品を摂取してエクオールを維持することが望まれます。またエクオールを作れていないと判定された方は、腸内細菌の活動が不十分であるため、大豆製品を食べても十分なエクオールが作れていないことになります。エクオールを作れていない方あるいは作れていてもなかなか大豆製品が摂取できない方には手軽にエクオールが摂取できるサプリメント「エクエル」がお勧めです。

 

更年期をケアして健康寿命を延ばす

 近年益々平均寿命が延び高齢化社会を迎える中、2012年厚生労働省資料によれば、日本人の健康寿命と平均寿命の差が、男性は9.2年、女性は12.8年で、女性は実に人生の約7分の1を寝たきりや介護を受けて過ごしているのが現状です。女性は40代以降の急激な女性ホルモンの減少により、様々な心身の変化が起きて更年期を境に生活習慣病のリスクも上昇していきます。従って更年期のケアは、老年期の生活にも大きな影響を与えると考えられ、健康寿命の延長、生活の質の維持の点でも非常に大切と言えます。

 当科のHPもご参考にしていただければと存じます。

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